2009-11

ガチガチ

先日、イエテボリの友人の家に遊びに行ったら、彼女の飼っている老犬が会うなりわたしに(嬉しさで)飛びかかってきた。それで切に思い出したのだが、わたしはイランに大事な愛犬を残してきているのだ。

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「ガーチ、ガチガチガチガチ…」と言うと飛んでくる。その名も「ガチガチ」。
前回のイラン滞在でかわいがっていたアウチは、あっけなくお別れとなってしまったのだが、その後、留守中の新居と牛小屋を守っていたのがこのガチガチだった。

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ガチガチは砂漠で生まれたトルクメン犬だ。まだ一歳半ほどの雄犬で、元気いっぱい。普段は牛小屋を併設したわたしたちの新居の敷地内でひとりで番をしているけれど、本当は人に遊んでもらいたい盛りなのだろう。困ったことに、新居から徒歩20分のところにある砂漠人の母の家まで、頻繁に出かけてくるようになってしまった。母の家に寝泊まりしている砂漠人とわたしが、特別においしいごはんをやったりマッサージをしてやったり、不用意にかわいがりすぎだのだ。
トルクメン犬は基本的に本物の番犬だ。見知らぬ人や動物が通れば必ず吠えて威嚇するし、飼い主が出かけるときはその前を走って護衛のような役割を果たしている。砂漠では、羊を守るためにオオカミとも闘うのだそうだ。だから甘やかしは一切不要、どの犬も厳しくしつけられている。犬を飼ったことのないわたしが見ると、虐待じゃないかと思うほどの扱いだった。

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朝起きて顔を洗うために外に出ると、ガチガチが急いで駆け寄ってくる。そんなことが何度もあった。ガチガチは持ち場を頻繁に離れてしまうようになったのだ。そこでわたしはガチガチの首にロープを巻いて、徒歩で20分かかる新居まで連れて行くのが日課になった。ロープを巻かれると喜んで走るので、それがまたかわいいのだ。ちなみにトルクメンの町では、首輪をしたり飼い主に引かれている犬は一匹もいない。ロープを首に巻いたりする町で一番のモダンな飼い主を持って、ガチガチは嬉しかったに違いない。

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また会う日まで、悪さをせずに待っていてほしい。

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