2009-11

子犬

チーズおじさんとの後日談。
わたしが犬に噛まれたために、隣町の医者まで三回もワクチン接種に行ったのだが、ドクターには「最後の日までに、噛んだ犬の屠殺処分を希望するかどうかを決めるように」と言われていた。噛んだとはいえ、こちらにも非があると思ったし、ましてや知り合いのチーズおじさんの番犬を殺すなんてとんでもないとわたしは考えていた。
そして最後のワクチン接種の前日に、わたしたちは再びチーズおじさんを訪ねた。噛まれたことで警戒心が強くなったわたしは、なんとなく恐くて車から降りずにおじさんと砂漠人が話をするのを見ていた。どう話をつけるのかなあ…と見守っていたけれど、穏やかに世間話をしているように見えた。砂漠人も犬を殺す気は初めからないようだった。ウィルスを持っている犬は、人を噛んだらその約10日後に死ぬのだそうだが、犬が死んだという事実はなかったし、予防接種をしているということも聞いていたので、おそらくその確認をしただけだろう。
しばらくすると、砂漠人が車から降りてこいという。どうしてもというので外に出たら、チーズおじさんの息子が小屋の下に手を入れて、ゴソゴソと何かを取り出した。それはなんと、生まれたての子犬だったのだ。

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まだ目も開いていない、大きめのモルモットのような動物。こんな小さな犬は初めて見たので、生まれたときはこういう形をしているのか! と驚いた。子猫のようにゴツゴツ、フニャフニャした感じはなくて、柔らかい毛がふさふさとしているけれど、丸々として重量感のある、なんともいえない手触りなのだ。

DSC_0776.jpg

この二匹は、チーズおじさんからのプレゼントだという。わたしたちは旅行者なのでいただいても実際困るのだが、これほどかわいい動物を一度手にしたら、手放すわけにはいかないだろう。現金なわたしは遠慮なく、満面の笑みでお礼を言った。こわばっていた顔が喜びで豹変していたに違いない。ちなみにこのプレゼントは、番犬がわたしを噛む前からおじさんが約束していたそうだ。こんな喜びを与えていただいて、本当にありがたい。二匹を胸に抱えて、家路に着いた。

DSC_0828.jpg

DSC_0822.jpgまだ目が開いていないみたい!

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砂漠人に学ぶナチュラルライフ
Natural life with desert man

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