2009-11

イランでは

わたしが日本に戻っているあいだ、砂漠人は3週間だけイランへ里帰りしていた。建てかけの家の工事はどこまで進んだか、羊の群れの様子はどうかなど、気になることは多い。予想してはいたものの、砂漠人は写真を撮ってこなかったのでがっかりだ。
なかでも最もショッキングだったニュースは、家の番犬アウチのこと。誰にでもなついてしまう愛らしい犬だったが、あるとき飼っているニワトリを食べてしまったのだとか。叱ってもその後も同じことを繰り返したために、ついには砂漠人の弟がアウチに目隠しをして、村の外れの砂漠まで連れていったのだそうだ。つまりは、アウチを捨ててしまったのだ!

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驚いた。わたしはアウチとの再会を期待して、一緒に暮らす日を楽しみにしていたのだから。なんとか村に戻ってくるんじゃないかと思っていたが、今のところニュースはない。気のいいアウチのことだから、どこかでのんびり暮らしているか、あるいはオオカミにやられたりしていないといいけれど。

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もう一つ、再会を楽しみにしていた kumoki と名づけた子羊だが、売られたのか食べられたのか、群れにはもういないそうだ。特別に大事に育ててくれと羊飼いに頼んだのに、あっさりとおさらばか。kumoki はわたしの名前を取ったからなのか発育状態がよくなかったらしく、それがわたしと自然の関係をよく表わしていると言われてしまった。
砂漠人は、「新しいアウチがいるから」「また今度 kumoki と名づけよう」と笑っていたが、そういう問題じゃないのになあ。それとも、そういう問題なんだろうか。

コメント

お戻りになりましたか

 待ってました!楽しみにしていますよ。
この記事を読んで、命について考えさせられました。
農耕の日本人は、命に甘ったるいかもしれませんね。
沙漠人さんは、生き物との緊張感の中で生きてこられたので、
「新しいアウチがいるから」という発想になるのでしょうね。

シビアです

あのかわいい子羊たちを食べるときに強くそれを感じます。
遊牧民の中にいると、子羊を殺すことを「かわいそう」と感じている
自分の感覚に違和感を覚えました。
大事に育てた命を食べるという点では、植物も動物も同じなのかもしれません。

ほうれん草と羊と人間、命が重い順番は…。よく分かりません!

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